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2022.05.20
社長の机
小野義徳の『社長の机』 第14回【Iris and the Giant】

みなさん、こんにちは。
株式会社ラセングル 代表取締役社長の小野義徳(おの よしのり)です。

このブログでは、時々、一緒に働く仲間の募集についても触れています。
今回はデザインスタジオから連絡がありましたので、担当者のコメントと共に紹介しますね。

■情報の遊撃手・UIアーティスト
・あらゆる情報を拾い、アートと企画とプログラマーとの連携プレーを期待します
・UIのエキスパートとして情報設計から理論的にデザインを組み上げ、最適化していくUIアーティストを待っています!

UIアーティスト

ゲームに限らず、UIデザインは重要で奥深い世界ですよね。

操作する人間の『行動と心理』を理解してデザインする必要がありますし、メインで操作する人間の年齢なども考慮して設計していく必要がありますし。(20代なら問題なく読めるフォントサイズでも、50代だと小さすぎると感じる...など)

ゲームビジネス(開発、販売、宣伝、広報、カスタマーサポート...などなど)に関わっている方であれば、どの職種であっても『人間を知る』、『人間に興味を持つ』という視点が必要になってくるのでゲームのことだけを学べばいいかというと、それもまた違うかな~と思います。
※ゲーム会社にいるのであれば『ゲームを遊び、学ぶ』ことは、呼吸をするくらい当たり前のことですしね(笑)

「こんなことなら、学生の時にもっと色々なことを勉強しておけばよかったなあ~」
「あの時の先生の話を聞いて勉強しておいてよかった~。まさかゲーム創りでこんな形でいかせるとは」
「こんな知識は将来絶対使わない...と思いながらもテストのために覚えたものに救われる日がくるなんて!」

という気持ちになったことは、誰しも一度や二度ではないですよね...もちろん、私もです(笑)

ゲーム創りはどれだけやっても本当に飽きません。
創れば創るほどに発見と疑問があり、知らないことを自覚し、また創りたくなります。

私にとっては、どんなゲームよりもゲーム創りそのものが終わらないゲームの様でもあります(笑)

「ゲームを創りたい!」というお気持ちのある方や、『こちら』の募集要項に少しでも興味がある方は、ぜひ、ラセングルも候補の1つに加えていただけますでしょうか。

※当社の「働き方や取り組み」のブログは『こちら』からご確認いただけます。
※「エンジニア」募集のブログは『こちら』からご確認いただけます。
※「デザインスタジオ」と「マーケティングプランナー」募集のブログは『こちら』からご確認いただけます。

引き続き、よろしくお願いいたします

さて、第14回目は【Iris and the Giant】です。

【Iris and the Giant】は、デッキ構築型のRPG(ローグライク要素のあるカードゲーム)です。

主人公はイリスという名の少女で、周囲の同世代からいじめを受けています。

イリスはいじめられても『嫌だ』、『止めて』、『NO!』とは言わず、一言も発しません。
会話をしない理由を父親が問いかけてもイリスは返事をせず、毎朝泣いています。
そんな娘を父親は心配していますが、解決の糸口がみつかりません。

ある日、イリスは水泳の高飛び込みの台に立ったところ、下から、子供たちの嘲笑が聞こえました。
彼女の眼は涙で溢れ、ついには、そのまま真っ逆さまに落ちていきます...。

そこから、プレイヤーは、イリスの記憶と心の中を冒険することになります。

【Iris and the Giant】は、ローグライク要素もありますが、デッキ構築型のRPGとしてはシンプルなゲームです。
プレイヤーの選択肢である手札(カード)は基本的に使い捨てで、敵は1撃で倒せます。
スタートからラスボスまでのルートもほぼ固定(途中でいくつかの分岐はありますが)です。

シンプルではあるのですが、メインのバトル部分は詰め将棋を考えるような楽しさがあります。
将棋やチェスの駒の様に、それぞれ特徴を持った敵が布陣で構えており、敵同士にシナジーが発生していたり、遠距離攻撃が特徴の敵の前にガードの硬い敵がいたりします。

プレイヤーは、現状の手札を眺めつつ2手3手先を見越し、どこの敵から倒していくのか、どの手札から切っていくのか...をじっくりと考えることになります。
【Iris and the Giant】に関しては、特化型のデッキよりも、どんな状況にも対応できるバランスの良いデッキの方が戦いやすかったです。

このあたりも、創り手の方の意図を感じました。

ゲームの中心はイリスの心の中の冒険であり、敵は、ラスボスである巨人の涙が生み出す悪魔たちです。
つまり、敵として戦う悪魔も、イリスの心が生み出したものです。

終盤になると、人間の口の形を巨大化させたような敵が出てきて、攻撃の度に心無い言葉をぶつけてきます。それは、イリスが現実世界で言われたことを、自分自身に何度も何度もぶつけているような状況です。

そんな自分の心の中にある、自分を責め続ける様々な悪魔たちと泣き続ける巨人、そういったものに、たった1つの武器だけで立ち向かうのではなく、どのような状況でも乗り切れるだけの選択肢の多さ=心のバランスの取り方...というものを、バトル攻略のしやすさという表現に結び付けたのかな~と。

それに対して、ラスボス戦は賛否両論あるようですね。
このゲームのテーマと物語に比重を置いたため、『泣いている巨人』という相手に対しプレイヤーが取れる行動がかなり制限されてしまったことが原因かもしれません。

私は『あ~、なるほどね。それもありかな~』という気持ちで、このラスボス戦は受け止められました。
創り手のメッセージも、表現したかったことも、より深く心に残りました。

アートスタイルも「イリスの記憶と心の中を冒険する」というテーマに合わせてあり、美しかったです。
現実世界での出来事や記憶は、色数が絞られており、ラフな線と透明水彩絵具の濃淡を強調したようなアートで表現されています。泣いた目で世界を見た時、輪郭はぼやけ、色が滲むかのように。
一方、ゲームの大部分である心の中の冒険では、色数が一気に増え、ラフな線は少なく、濃淡の強調も抑えフラットになり、平面的でカラフルな切り絵やコラージュの様な表現がされていました。

エンディングを迎え、心の旅が終わると、イリスとプレイヤーは現実に戻ります。

【Iris and the Giant】は、ゲームとしては『イリスの記憶と心の中を冒険する』物語でしたが、プレイヤーとしては『イリスの心の冒険を通して、自分自身の心とも向き合っていたんだな~』と思える、そんな体験をさせてくれるゲームでした。

それでは、次のゲームが呼んでいるので、今回はここまで!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

小野義徳 Twitter