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2022.05.10
小野義徳の『社長の机』 第13回【Hades】

みなさん、こんにちは。
株式会社ラセングル 代表取締役社長の小野義徳(おの よしのり)です。

前回のブログでは、当社のリモートワークへの取り組みについて触れました。

今後も東京を中心とした関東圏という地域に縛られない働き方を進めていく一方で、直接“集まって”話すことの意義や効果も大切に考えています。

そこで先日は、東京のオフィスを少し離れつつ『直接会って議論する』場を設けて、経営方針に関わるメンバーと集中して話しました。
※マスク着用、検温、密の回避など、感染防止対策は徹底しております

東京のオフィスを離れたのは、『環境を変えて自然の中で話し合うことでいつもと違う発想が出ることも』…という様な期待は少しだけで、現実的にはオフィスだと日々の業務や緊急差し込みなどで、物理的・思考的に『捕まってしまう』メンバーをカンヅメにして集中して話し合える状況にする目的もありました(笑)

多忙なメンバーをカンヅメにして、直接、全員の顔が見える状態で議論した価値はありました。

議論が白熱して机を乗り越えて相手の前に歩み寄る…というところまではいかないにしても、やはり、『モニター越しでの議論』と『手を伸ばせば相手に届く状態での議論』というのでは、ピリッとした話に及んだ時の集中力が違うなぁ~と。

今後も5年先や10年先を見据え、ゲーム会社として目指す頂へ到達するためにはどういう環境が必要なのか、オフィスという物理的な『場』をどう考えるのか、会社のメンバー全員で『今』経験しておくことは何か…そのための仕組み作りを継続していきます。

現時点の取り組みが窺われるものとして、当社経営管理室の山根のインタビューが掲載されました。
こちらも、ぜひ、ご一読いただけたらと思います。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2204/05/news006.html

さて、第13回目は【Hades】です。

20人規模のゲーム会社が創った【Hades】は、ゲームとして数多くの賞を獲得し、また、ストーリーの評価も高くネビュラ賞(ゲームライティング部門)なども受賞したことで、ご存じの方も多いかもしれませんね。

【Hades】は、クォータービュー(isometric view)のローグライクアクションゲームです。

プレイヤーは、冥王ハデスの息子である王子『ザグレウス』として、父であるハデスが統治する冥界から地上へ向かって脱出するのが目的です。

王子とはいえ、冥王ハデスが統治する死後の世界から生者の世界である地上へすんなり脱出できる訳もなく、ゲームとしてはあの手この手の敵やボス、トラップが待ち受けており、死ねば『死後の世界』である冥界に戻されてしまいます。

ローグライクアクションゲームとしては丁寧に作られており、ダッシュを多用したスピード感あるバトルが中心です。武器やビルドの幅も比較的コンパクトにまとめられていて、ランごとのランダム要素もある程度コントロールでき、近距離、中距離、遠距離のどれでいくか、スキルはダメージをばら撒くタイプでいくか、回避特化でいくか…などの組み合わせも楽しめます。

アメコミテイストのキャラや背景、UIデザインなども含めてゲーム全体を通してビジュアルに統一感があって、フォトリアルとは違った意味で説得力がある画面でした。

【Hades】をプレイする前からストーリーが高く評価されているのは知っていたのですが、実際に遊んでみたら、最初はそれほどの感動や驚きはありませんでした。

確かにローグライクゲームのメカニクスである『死んだら最初に戻る』という仕様に、『死後の世界が自分の家』とした世界観設定を組み合わせることで、味気ないゲームのルールにルール以上の意味を持たせたことや、【Hades】で登場するキャラクターたちに、ハデスにしても、ザグレウスにしても、ゼウスやアレス、アテナ、ポセイドンなどのオリュンポスの神々にしても、非常に人間臭く表現していることは、上手だなとは思いました。

仕事に没頭し、息子のやることなすことに文句を付け、息子と向き合わない父親ハデス。
仕事もせず、父親に反発し、地上を目指して家出を繰り返す息子ザグレウス。
顔を合わせれば言い合いばかりの二人を横目に、傍らでうずくまったままのケルベロス。
おせっかいやお説教をしてくる親戚のオリュンポスの神たち。
母親の不在。

人間臭いキャラクターたちが現代的なテーマを抱えている中で、プレイヤーが操作するザグレウスは、最初は『父親に対する反発心から家出を繰り返している』のだと思ってプレイしていました。

ところが、冥界の脱出を試みて、何度も死んで、死ぬたびに冥王ハデスの眼前に戻されるザグレウスには、
地上を目指す理由があり、不屈の精神で孤独な戦いを続けていることが解ってきます。

父親も母親も、『壊れた家族』を前向きに捉えることができない中で、ただ一人、息子のザグレウスだけが、何度失敗しても何度死んでも、『家族に愛を取り戻したい』という気持ちがあるんだと解りました。

もう、プレイの最後の方は、他のキャラクターたちの気持ちも理解できてきて、『何としてもザグレウスを父親と母親と一緒にしてあげねば!このまま家族が壊れたままでいい訳がない!』という気持ちになって、自分がザグレウスを動かしているのか、ザグレウスに自分が動かされているか解らなくなるくらいストーリーにハマって、死と脱出を繰り返していました(笑)

エンディング後のスタッフロールとエピローグ、そして1枚の“絵画”を観た時に、ゲームをクリアしたという気持ちよりも、1本の映画を観終えたような、小説で物語を楽しんだような、【Hades】は、そんな体験をさせてくれるゲームでした。

それでは、次のゲームが呼んでいるので、今回はここまで!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

小野義徳 Twitter